大雨・洪水、地すべり―熱中症でも多数の人的被害
●2024年の自然災害 【海外編】
2024年の「海外」で起こった自然災害には、温暖化傾向を反映した気象災害に加え、イスラム教聖地メッカで行われたハッジ(大巡礼)中、熱中症死者が1300人を上回るとされるなど、人災ともみられる被害が目立った。以下、レスキューナウによる「〔海外〕2024年の災害」(文末にリンク)から編集部再編集・抄録(死者数などは暫定数値)。
【 1月 】
〈山崩れ〉 2024年1月22日05:50頃、中国南西部の雲南省東部で山崩れ、集落の18世帯44人が生き埋め。25日夜までに44人全員の死亡を確認。

【 2月 】
〈森林火災〉 2024年2月1日頃から南米チリ中部・南部を中心に森林火災。死者131人。
〈地すべり〉 2024年2月6日夜、フィリピン南部ミンダナオ島で豪雨、地滑りで90人死亡。
【 3月 】
〈洪水・土砂災害〉 2024年3月7日からインドネシア・スマトラ島中部で洪水。死者28人。
【 4月 】
〈地震〉 2024年4月3日07:58頃、台湾東部沖震源のM7.7(日本の気象庁発表)の地震、花蓮県で震度6強。23日までに17人が死亡、1000人以上が負傷。この地震で日本では沖縄県与那国島と宮古島で30cmの津波を観測。

〈豪雨〉 2023年4月、アラビア半島およびオマーン湾周辺で豪雨。死者100人以上。
【 5月 】
〈洪水〉 2024年4月下旬から5月上旬にブラジル南部で洪水。死者140人以上。
〈洪水〉 2024年5月中旬、アフガニスタンの各地で豪雨。5月10日、北部での洪水で315人死亡、5月16日から翌17日にかけて北部で少なくとも110人死亡。
〈地すべり〉 2024年5月24日03:00頃、南太平洋にあるパプアニューギニア中部で地滑り、8000人に対し避難勧告。国連は670人以上が犠牲と推定。
【 6月 】
〈熱中症〉 2024年6月14日から19日にかけて、サウジアラビア西部のイスラム教聖地メッカで行われたハッジ(大巡礼)中、熱中症死者が1300人を上回ったと政府保健相。

〈大雨〉 2024年6月中旬から下旬にかけて、中国南部各地で大雨、死者55人以上。
【 8月 】
〈大雨、ダム決壊〉 2024年8月25日、北アフリカのスーダン北東部で大雨によりダムが決壊。死者は少なくとも30人、行方不明者は数十人から数百人、被災者は数万人規模。
【 9月 】
〈台風〉 9月4日から7日に台風11号「ヤギ」ベトナムを直撃。384人死亡、89人行方不明。
〈ハリケーン〉 2024年9月26日夜、アメリカ南部フロリダ州にハリケーン「ヘリーン」が上陸、死者200人以上、行方不明者数百人。
【 10月 】
〈大雨〉 2024年10月29日朝からスペイン東部や南部で豪雨。210人以上死亡。

【 11月 】
〈火山災害〉 2024年11月3日からインドネシア・レウォトビ・ラキラキ山の噴火で9人死亡。
【 12月 】
〈サイクロン〉 2024年12月14日、インド洋のマヨットをサイクロン「チド」直撃。死者39人。
〈2025. 01. 03. by Bosai Plus〉
2025年 気象・地震7大ニュース】災害の振り返りと未来への備え
2025-12-31 07:08 ウェザーニュース
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2025年も残すところあとわずかとなりました。今年は、記録的な猛暑や豪雨、台風、そして大規模地震など、気象・地震災害が相次いだ一年となりました。ウェザーニュース for businessで気象ニュースを振り返ります。
【2月】大船渡の森林火災 少雨・乾燥・強風が招いた山火事

近年、気候変動の影響により、世界各地で大規模な山火事が頻発しています。日本では、2025年2月に岩手県大船渡市で大規模火災が発生し、甚大な被害が広がりました。この火災は、林野内の異常な乾燥と強い風が要因となり燃え広がったと報告されています。
>>日本で大規模な山火事が頻発 気候変動との関連は?
岩手県大船渡市で発生した山林火災をきっかけに、「林野火災注意報」が創設され、2026年1月から運用が開始されます。「林野火災注意報」は、乾燥や強風でリスクが高まった際に市町村が発令し、屋外での火気使用に注意を呼びかけるものです。
しかし、実際に消防関係者の方々とお話ししていると、運用のルール決め、実際の運用方法や部署間の連携、そして住民への周知・注意喚起に課題を感じているという声が聞かれます。そこで、ウェザーニューズでは、法人向けに提供するウェザーニュース for businessで「林野火災リスク」の提供を開始しました。
>>自治体・消防向けに林野火災危険度予測サービスの提供を開始
>>【バージョンアップ】林野火災リスクに「実績判定」を追加!
【5月〜6月】統計史上初の6月梅雨明け 西日本で記録更新

2025年は、西日本から北陸は5月中に梅雨入りし、6月終わりまでに梅雨明けとなりました。近畿と北陸では過去最も早い梅雨入りで、関東甲信も2番目の早さに。関東甲信で6月に梅雨明けするのは2018年以来2回目で過去最早。北陸では史上初となる6月の梅雨明けです。
また、梅雨前線の活動が弱かったため、全国的に梅雨の期間の降水量は少なくなりました。沖縄でほぼ平年並みだったほかは軒並み平年よりも少なく、中国や北陸では平年の約半分、東北南部はわずか37%と空梅雨でした。
>>2025年の梅雨情報はこちら
【7月】海外発の巨大地震 北海道から沖縄まで津波到達

2025年7月30日(水)8時25分頃にカムチャツカ半島付近で発生した地震により、日本の沿岸に津波警報・津波注意報が発表されました。この地震により、国内では最大で1.3mの津波(岩手県・久慈港)が観測されました。
海外で発生した地震でも日本列島の広範囲に影響が及ぶことを示した事例です。遠方の地震だからといって油断せず、津波情報に迅速に対応することの重要性が改めて認識されました。
>>津波時の情報の見方を再確認!(7月30日の事例)
【8月】九州を襲った記録的豪雨 複数回の線状降水帯発生

8月6日(水)から11日(月)にかけて、日本列島では各地で大雨になりました。特に九州は、複数回にわたり線状降水帯が発生して、浸水や土砂災害、河川の氾濫など大雨災害に見舞われました。
当時、ウェザーニュース for businessで提供中の線状降水帯アラームは、のべ3,833企業・団体に通知されていました。通知タイミングを分析した結果、気象庁の解析に対して、いずれの事例も数時間から数十分前には、通知がされていたことがわかりました。
>>九州の線状降水帯による記録的豪雨〜被害状況と対策まとめ〜
【8月】記録的な猛暑:国内歴代最高41.8℃更新、8月の日本の平均気温は過去2番目の高さ

8月5日(火)は関東で記録的な高温となり、群馬県伊勢崎市で日本国内歴代最高気温となる41.8℃を観測しました。40℃以上を観測したアメダスは15時30分までに14地点となり、これは観測史上最も多い数字です。
8月の日本の平均気温は過去最高には届かなかったものの、基準値を大きく上回りました。8月5日に日本歴代最高気温を更新するなど、40℃以上を観測する日が目立ったのが特徴的です。
>>8月の日本の平均気温は過去2番目の高さ 夏の気温は記録を大幅更新
【9月】台風15号:発生から24時間で上陸 線状降水帯と突風が列島を襲う

9月4日(木)3時、九州の南で台風15号(ペイパー)が発生しました。翌5日(金)1時頃には愛媛県愛南町付近に上陸。その後9時頃に和歌山県北部に再上陸し、活発な雨雲は東海から関東へ移動。静岡県では線状降水帯が発生し、「顕著な大雨に関する情報」が発表されました。
こうした短時間での猛烈な雨は、今年全国的に多発しています。 2025年は「記録的短時間大雨情報」の発表回数が163回と過去最多を記録しました。(これまでの最多は2022年の161回)。
また、この週は各地で道路冠水や河川の増水などに加え、突風被害なども相次ぎました。ウェザーニュース for businessの「写真&動画リポート」からは、当時の状況を遡って確認することができます。
>>台風15号の影響で線状降水帯や突風発生、各地で記録的な大雨に
【12月】青森県で震度6強 初の”後発地震注意情報”発令 津波警報も発表

2025年12月8日(月)23時15分頃、青森県東方沖で地震が発生し、北海道太平洋沿岸中部、青森県太平洋沿岸、岩手県に津波警報が発表されました。また、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震の想定震源域に影響を与える場所が震源で、規模が基準を満たしたため、気象庁は「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表しました。発表されるのは今回が初めてでした。
この情報は後発地震が実際に発生する確率は低いものの、巨大地震が発生した際の甚大な被害を少しでも軽減するために、新たな大規模地震の発生可能性が平常時と比べて相対的に高まっていることを知らせるものです。
>>青森県東方沖の地震を事例に地震・津波情報の見方
>>北海道・三陸沖後発地震注意情報を発表(気象庁)
<週別の振り返り記事>
ウェザーニュース for businessでは、毎週振り返り記事を発行しています。この一年の振り返りにぜひこちらもご確認ください。
週ごとの振り返りはこちら
天変地異に備えて 今こそ防災対策の見直しを
2025年を振り返ると、気象・地震災害が相次いだ一年でした。これらの災害は決して他人事ではありません。命と事業を守るために、今一度、防災体制の見直しをお願いします。


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